アートなみやぎ

第4回 切り絵作家「千葉英雄」

ちば ひでお
1950年、宮城県登米市生まれ。仙台市泉区在住。
桑沢デザイン研究所卒業

日本きりえ協会会員・新現美術協会会員・登米市美術協会会員
2010~個展30回以上
一線美術展入選 中華民国書画展入選4回・墨田区芸術祭特選 二科展出品 他
日本の風景を描く展入選・山梨国際切り絵コンクール連続入選

■切り絵を始めたのは大手印刷会社を退職後ということですが、きっかけは何だったのですか?

「もともと絵描きになりたくて油絵や水彩など描いていました。そこに仕事を通じて培ってきたデザインの要素、その二つを同時に表現できるのが切り絵だったんです。やり始めたら、あれもやりたい、これも描きたいと、息つく間も無く描き続け、時には徹夜することも少なくありませんでした。一年間没頭し、描き上げた120点の作品ではじめての個展を開催しました。その後の展覧会で注目を集め、テレビの取材なども受けるようになりました」。

■作品はファンタジーから風景まで多岐にわたっていますが、制作する上で大事にしていることはありますか?

「私の作品はデザイン的な切り絵、絵画的な切り絵、それらをドッキングした3通りの切り絵があります。風景など絵画的な作品を作る場合は当然下書きを描きに現地に赴きます。写真は使いません。私は感動するということを作品を作る上で大事にしているからです。実際に訪れないと感動が薄れてしまうんです。また、ファンタジー的な要素を入れる場合は、そこに暮らしていた人はどんな人だったのかなど、想いを巡らせながらそこで溢れ出した感動を表現するよう心がけています」。

■2016年10月からNHKカルチャースクールでで切り絵の講座を開講なさっていますが指導する上でどんなことに気をつけていますか

「私の切り絵は『上手さよりも味を大事に』。キレイな線よりもがじゃがじゃしている感じ、そこに味があればそれを優先させるよう指導しています。細かい切り絵などもテクニックがあってキレイですが、それは時間と根気があれば大抵出来てしまいます。ただキレイに仕上げるのではなく、トリミングの大胆さや、凝った構図、光と影のバランスなど、その人にしか出せない工夫やこだわりが切り絵の面白さだと思っています」。

■宮城にゆかりのある風景もたくさん切り絵にしていますが、今後はどんな場所を切り絵にしていきたいですか?

「私は有名な観光名所はあんまり好きじゃないんだ(笑)観光名所を作品にすると見る側に先入観が入ってしまうから。できれば水辺や空が綺麗な場所を作品にしていきたいね。水辺なんかはいろんな変化で表情を変えることが出来るからとても気に入ってるんだ。それと自分の根っこがある登米。住んでいるのは仙台だけど、本籍はもちろん登米にある。白鳥や伊豆沼など作品にしてきたけれど今後も増やしていきたいね」。

■今後の予定をお聞かせください

「2016年11月26日~12月3日まで東京都美術館で日本切り絵美術展。12月16日から22日まで仙台メディアテークで新現美術協会展で展示を行います。展覧会に出展した大型作品『風雅』『月華』『幽玄』の3作品を展示予定です。日本の伝統的なモチーフに挑戦した意欲作です。興味がありましたらぜひ足をお運びください」。

※千葉英雄先生の作品はイズミティ21にあるビュッフェレストラン「冠21」と
 大和町もみじヶ丘にある自宅レストラン「欅」に常設展示されています。
 入選した大型の作品から小品に至るまで、約30点が展示。お食事と共に、幻想
 的で大胆な切り絵をご鑑賞ください。

作品画像:(右上段から)「仙台七夕」 「萩」 「三陸みなと祭り」
「冠21で常設展示されている作品の説明をする千葉英雄先生」

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